伊万里陶芸 うさぎ特集
2011年の干支は「兎」です。 昔から親しまれている兎は、古伊万里の器にも描かれていました。 干支に限らず、いつでも愛用できます。
今年は早めに「うさぎ」の飾り物や器をご紹介いたします。
また、日本での兎の考え方、ことわざ、文化なども一緒にみていきたいと思います。
日本のうさぎの文化
お月見
十五夜といえば、「月と兎」のイメージが強いですね。
なぜ、この「十五夜」と呼ぶのかを調べてみました。
旧暦の八月十五日、現在の九月十八日前後は、ちょうど満月に当たります。この日を「十五夜」と呼び、満月におだんごなどの供え物をして、お月見が催されてきました。
旧暦では七月から九月までが秋で、八月を「中秋」と呼んでいたため、「中秋の名月」ともいうようです。
中秋の名月を観賞する習慣は、すでに唐代の中国で行われていて、野菜や果物などを供えて月を拝み、観賞したという記録が残っているようです。これが、平安時代頃に日本に伝わって、当初は貴族階級の間で十五夜を観賞していましたが、やがて一般庶民にまで広まって全国的な行事となりました。
この行事は、農村では豊作を祈って、畑でできた秋の収穫物、とくに里イモを供えていたことから、「芋名月」とも呼ばれます。
ちなみに、旧暦の九月十三日(現在の十月中頃)の月見を「十三夜」といい、この時期は秋の収穫を祝うという意味もあったので、豆や栗などの作物を供えました。そのため、「豆名月」とか「栗名月」などとも呼ぶようです。
現在、「十三夜」の風習は薄れてきていますが、かつては「十五夜」と同じように「十三夜」の月見も重要な行事とされていたようです。
言葉
ウサギの日本語における助数詞は、伝統的に1羽、2羽と鳥と同様の「羽(わ)」を使用しています。この由来にはいろいろとありますが、主には以下のようなものがあります。
●獣肉食が禁止されていた時代、大きく長い耳の形状が鳥の羽を連想させることから「ウサギは獣ではなく鳥だ」と見なして食肉としていたとする説。
●同じく獣肉食が禁止されていた時代、「ウサギはウ(鵜)とサギ(鷺)に分けられるから鳥だ」とこじつけて食肉としていたとする説。
●獲物は耳を束ねて持ち歩き、一掴みにすることを一把(いちわ)、二把(にわ)と数えたことから後の羽(わ)につながったとする説。
現在では鳥類と兎をまとめて数える場合、または食肉として扱う場合を除き、通常の小動物を数える「匹」を用いることが一般的になりつつあります。
また、その経緯から、「羽」を用いるのはあくまでも「食料」として扱う、いわいる屠殺することを前提とした、、もしくは解体された兎肉を指すと解釈されることもあり、生物学的にみると羽のみが絶対正解ということではないようです。
ことわざ
ことわざや慣用句などを昔から「兎」をつかったものが、いろいろありました。 それほど親しみのある動物だったことがいえるでしょう。
脱兎(だっと)の如(ごと)く
兎が駆けるように非常に速くて捕まえられないことの例え。
始めは処女の如く後は脱兎の如し
出典は『孫子』の九地篇「是故始如處女 敵人開戸 後如脱兎 敵不及拒」。始めは処女の如く振る舞い相手を油断させ、脱兎の如く逃げろという兵法。
二兎を追うものは一兎をも得ず(二匹の兎ともいう)
欲張って一度に2つのものを狙うとかえってどちらともの目的を果たせなくなってしまうこと。
兎角亀毛(とかくきもう)
出典は『述異記』の「大亀生毛、而兎生角、是甲兵将興之兆」。兎に角が生え亀に毛が生えるという、起こるはずのないことが起こることの喩え。凶兆の一つとされる。
兎に角(とにかく)・兎も角(ともかく)・兎角(とかく)
上記に由来する当て字。夏目漱石が使用して一般に定着したとされる。
兎死すれば狐これを悲しむ
同類の不幸を縁者が悲しむ。
兎に祭文
何の効果もないこと。
兎の登り坂
物事が順調に進むこと。
兎の糞
長続きしないことの形容。
兎兵法
実用的でないこと。
兎の股引
後が続かないこと。
兎起鶻落
出典は蘇軾の『文与可の画きし篔簹谷の偃竹の記』。勢いがあるさま。
獅子搏兎
出典は陸象山の『象山先生全集』。容易なことにも全力で努力する。
狡兎三窟
出典は『戦国策』の斉策。狡賢い者は用心深く難を逃れるのが上手い。
狡兎死して走狗烹らる
出典は『韓非子』の内儲説下。用が済んだ有能な部下は殺される。
犬兎の争い
当事者が争っている間に第三者に横取りされる。
守株(株を守る)
出典は『韓非子』の説話「守株待兔(しゅしゅたいと)」。木の切り株にウサギがぶつかって死んだのを見た農夫が、楽して儲けたと思ったため、農作業をするのをやめ、ひたすらウサギが再び切り株にぶつかるのを寝て待ったことから、旧慣にこだわる愚かしさを意味する。北原白秋作詞、山田耕筰作曲の童謡「待ちぼうけ」はこの故事を元にしている。
三月ウサギのように気が狂っている
落ち着きのない様子。
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